雑記帳から

そのままに書き記して。

Mr.Children『Over』歌詞考察

発売当時史上最高の売上を記録したモンスターバンド『Atomic Heart』。
当時のミスチルは絶頂を極めており、言うならば『第一次ブレイク期』。
当時の若者で「知らない人はいない」というのは大袈裟ではなく、まさに言葉の通りでした。

あれからもう22年。今回考察していく、Mr.Childrenの『Over』はシングルではありませんが知名度は抜群。でも今の10代は知らない人がむしろ多数派ですよね。時代の流れを感じる…。

何も語らない君の瞳の奥に愛を探しても 言葉が足りない そうぼやいてた君をふっと思い出す
何も訴えかけてこない君の瞳の奥にもきっと愛があるんだろうって探してはみる。でもそんなことするたびに「言葉が足りない」って呟いた君を思い出す。
  • 「何も語らない瞳」。瞳は何も語りませんから、これは擬人法。しかしそのあとに「言葉が足りない」と続く。センスの塊。
今となれば 顔の割に小さな胸や少し鼻にかかるその声も 数えあげりゃキリがないんだよ 愛してたのに 心変わりを責めても虚しくて
今となっては顔の割に小さな胸も鼻にかかる君の声もキリがないほどに愛してたとわかるのに。そう言って君の心変わりを責めても仕方がないのにね。
  • ここでの「顔の割に小さな胸」がポイント。桜井さんにしかわからない女性を見る目線がなんとも生々しいというか(笑)。実際、巨乳顔とか貧乳顔があるわけではないから、ここでは想像力や体験談を助長させる働きをしているともしています。
  • 「今となれば」の響きが、離れることで好きだと再確認できたという感情が読み取れます。
風邪が感染るといけないからキスはしないでおこうって言ってた 考えてみるとあの頃から君の態度は違ってた
「風邪がうつるのはいけないからキスはしないでおこう」って言っていた。でも後々考えてみると君の態度はこの時くらいから最初の頃とは違っていた。
いざとなれば 毎晩君が眠りにつく頃 相も変わらず電話かけてやる なんてまるでその気は無いけど わからなくなるよ 男らしさって一体どんなことだろう?
いざとなったら今でも僕は昔と同じように君の寝る時間に電話もできる。いや、本当にそんなことはもうしないけどね。
わからなくなるんだ、男らしさって何なのか。
夕焼けに舞う雲 あんな風になれたならいいな いつも考え過ぎて失敗してきたから
いつも考えすぎて失敗してきたから、夕焼けの空に浮かぶ雲みたいになれたらいいなぁ。
今となれば 嘘のつけない大きな声や家事に向かない荒れた手のひらも 君を形成るすべての要素を愛してたのに 心変わりを責めても君は戻らない
今となっては嘘のつけない大きな声や家事に向かない荒れた手のひらも、君のことなら何だって愛してたのに、心変わりを責めても君は戻らないよなぁ。
  • 深読みすれば、嘘のつけない真面目な性格ゆえ声が大きいとも受け取れます。また、手は家事をよくやればやるほど荒れますよね。水に触れれば触れるほど。だから彼女は家事を不得意なりに頑張っていたんじゃ無いかなぁとも。『苦手だから頑張る→手が荒れる』みたいな(笑)。
いつか街で偶然出会っても 今以上に綺麗になってないで たぶん僕は忘れてしまうだろう その温もりを 愛しき人よ さよなら
いつか街でばったり出会っても、今以上に綺麗にはなっていて欲しくないなぁ。でもたぶん僕は温もりを忘れてしまうんだろうなぁ。バイバイ…。
  • 『いつか街で〜』のくだりはホント共感です(笑)。ワガママなんだけど、ここまで的確に言われると気持ちいい(笑)。
  • 「たぶん」は重要語。まだ当分忘れられないだろうことを示唆しています。
何も語らない君の瞳もいつか思い出となる 言葉にならない悲しみのトンネルを さぁくぐり抜けよう
何も訴えかけてこない君の瞳もきっといつか思い出のひとかけらになる。だからこの何とも言えない悲しみのトンネルをくぐり抜けようか。
  • 『何も語らない〜』は最初にあえて戻ることで、心情の変化を確実に感じさせています。

ミスチルの失恋ソングには筆者もやられます。「ああ切ない。でもわかる。」って(笑)。

では、次回。またどこかで。